「不正に目を背けていた感じ」ビッグモーターの元従業員が語る　「サービス残業で掃除も」 (23/07/25 16:52)

中古車販売大手「ビッグモーター」による保険金の不正請求問題で25日、兼重宏行社長が会見を開き謝罪しました。しかし、「不正を知らなかった」という兼重社長の言い分に、愛知県内に住む元従業員は首をかしげます。

　ビッグモーターは、ゴルフボールを靴下に入れて車を叩くなどの手口で修理代を「水増し」し、保険金を不正に請求していました。

　これら一連の問題の発覚後、初めて会見の場に臨んだ兼重宏行社長は、不正請求問題について謝罪したうえで、26日付で辞任する意向を明らかにしました。

　一方で、経営陣による不正の把握について兼重社長は「今回の板金塗装部門の不正請求問題は板金塗装部門単独で、ほかの経営陣は知らなかったのは事実だと思います」と述べ、自らも特別調査委員会による6月の報告まで知らなかったと釈明しました。

　この「不正を知らなかった」という兼重社長の言い分に首をかしげるのは、愛知県内に住む、ビッグモーターの元従業員です。

「店舗の人間も上からの指示でやっていたと思うので、不正を知らなかったというより目を背けていた感じだと思う」（ビッグモーターの元従業員）

　2022年まで勤めていた店舗では、不正な車検を見たり聞いたりしたことは無いものの、上層部が店舗を視察する「環境整備」について理不尽さを感じていたと話します。

「環境整備はさすがにおかしいと思いますね。前日に私たちも遅くまで残って掃除するんですけど、お給料はなしでサービス残業みたいな感じですね。来た時に外を見回ってゴミとかあったらその時点で『環境整備終了』。お店の中とか見ずに終わりということもありました」（ビッグモーターの元従業員）

　店に来た副社長はかなり高圧的な物言いで、要求に応えられなかった店長は「即降格」となったと言います

「店長が副社長に『なめてんのか』って降格した時に言われてましたね。結構詰められていたので、かわいそうだな、大げさだなという感じ」（ビッグモーターの元従業員）

日常的「自腹」を強要か

　さらに、営業社員が「自腹」を強要されることも日常的にあったということです。

「営業さんがミスしてお客さんに『ドライブレコーダーはついている』と言って、実際はついてなくてお客さんからお金がもらえないとなった時に、自分で自腹で出すと聞いたことがある。自腹が当たり前っていう環境で仕事をするのはおかしいと思う」（ビッグモーターの元従業員）

　ビッグモーターの今後に関しては…

「社長と副社長が辞任したからといって結局変わらないことだと思う。上の人間がガラッと変わって会社を立ち上げ直さないと変わるのは難しい。同じことの繰り返しだと思います」（ビッグモーターの元従業員）

(7月25日15：40～放送メ～テレ『アップ！』より)